ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 エテーネ王国は権威の象徴のように浮島が浮かんでいます。錬金術の結晶たる浮島に、王宮を筆頭に、王族や要人の居住区、そして王国の重要施設が移転していきました。浮島には結界が張られて虫一匹入り込めず、転送の門を遮断すれば何人も入れぬ完璧な防衛を実現しました。
 そんな浮島と地上を結ぶ唯一の手段である転送の門が故障したのは、魔法生物の破棄で王都が混乱していた時期でした。
 安全上の理由で封鎖していると公表されていて、嘘ではありません。転送機能は動いています。正しく転送先に転送されているかが不明である事が、故障と判断されたのです。
 最初に転送の門の不調に疑問を持ったのは、軍部の兵士が戻らぬ事でした。
 王宮に報告を上げ、戻ってくる新兵でさえできる簡単な業務。しかし、王宮へ行った兵士は待てど暮らせど戻ってこない。様子を見に行った同僚も、同じく転送の門を潜ってそれっきり。それが三人も続いてしまえば、もう、偶然とは考えられなくなるのも当然でしょう。
 更に、王宮に上げる食材の目録を持って、定期的に王宮から降りて来るはずの人もこない。
 転送の門は正しく転送されず、使用した人々がどこへ転送されたかも未だ分かりません。失踪者を生み出した結果に、転送の門は故障していると結論付けられたのです。
 転送の門が故障した際に修繕を行うべきアルケミアとも繋がらぬなら、王都にいる錬金術師に依頼が出されます。しかし、王立アルケミアの錬金術師が担当している整備を、何の引き継ぎもなく王都の錬金術師にやらせようだなんて、一夕一朝の話では済みません。王都で店を構える錬金術師達はこの難題に『すぐには直せない』と返事をしたでしょう。私だって、先輩方と同じ答えを返しました。『日々生きる為の出費を気にせず』『湯水のように研究費用を用意して』『年単位』で『直せる』。それを十文字以内で簡潔にまとめたのが『すぐには直せない』なのです。
 この転送の門の不調は、まだ一般人が知らぬ事でした。
 しかし、魔法生物の破棄に躍起になって王都を引っ掻き回した指針監督官が拘束され、人々の生活が落ち着けば目に留まるのは時間の問題です。ルオンのいう通り、新聞記者が次の話題として転送の門の不調を挙げ、明日にでも記事に書かくのは冗談と言い切れません。
 王立アルケミアは王国が抱える専門機関。王国にペン先を向ける勇気がない記者達は、弱い我々にインクをぶち撒けるのです。指針監督官が連日来ていた時の売上も酷かったものですが、今暫く続いてしまうのでしょうね。
 やれやれ。途中で失敗を確信したような暗澹たる気持ちを払うように、首を振りました。軽やかなベルの音が来店を告げ、来店者は店内に元気な挨拶を響かせたのです。
「こぉんにちわぁ! 配達だぞぉ!」
 開いた扉を潜ったのは、私達の腰くらいの大きさしかない、ふわふわで猫耳のぬいぐるみ。いいえ、このエテーネ王国が存在するレンダーシアから、海を越えた大陸に住むプクリポという種族です。赤い毛皮にふわふわパンケーキな肌、屈託無い笑みと華やかな雰囲気を振りまく彼の手には大きな木箱が抱えられています。初めてのおつかいに来た幼子のような大きさでも、木箱を頭上に持ち上げてどっこらしょとカウンターに乗せてしまいました。
 ぴょこんと飛び上がってカウンターにお腹を乗せると、配達の品が書き連ねられた目録を差し出されます。にっと笑った拍子に、猫耳に似合う可愛らしい糸切り歯が覗きます。
「全部あったら、サインして欲しいんだぜ!」
 では、早速。私は荷物を改めつつ、暗くなった気持ちが吹き払われるのに気がつきました。

プクリポルアム復活です!!!!!!!

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