ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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足を踏み切ればキラーパンサーのトップスピードに瞬く間に至り、爪は名刀の切れ味を誇り、振り下ろす腕の強さは既にギガンテス並み。戯れ合いを理解していない子供の動きは躊躇いなく、遠慮がない。大地に爪が振り下ろされれば堅牢なグレンの岩肌がパンケーキにフォークを差し入れるように突き刺さり、尾を振り下ろせば大きな亀裂が走り砕けた破片が舞い上がる。
「ヤルジャ ナイカ! ソンジョ ソコラ ノ 魔物ヨリ 強イゾ!」
生半可な力量では瞬く間に肉塊にさせられそうな相手に、実力も経験も豊富なガルードさんは優位に立ち振る舞う。実際に生まれたばかりの異形獣は、相手を見れば飛びつき、動くものに爪を振り下ろす、生まれたばかりの生き物のような素直さを見せていました。
『タノシイ! タノシイ!』
キャッキャッ! まるで金属を擦ったような生き物の発する音ではない声。しかし、その声には確かに楽しさに弾んでいて、無邪気に遊んでいる様子に嘘はない。
アストルティアを滅ぼす為に生み出されただろう命。
しかし、その真性が邪悪とは限らない。
僕はグレンの戦士達へ視線を向け、目的の物を持った若者の下へ駆け寄る。グレンの考古学者の提案でオーガの神話を再現するという作戦を立てていた為か、この場には本来あるかどうかも分からない戦いのドラムがあったのです。大木をくり抜いた飴色の胴に、オーガ族の紋章が赤く染め抜かれた皮が魔物の骨でピンと張られている。
駆け寄ってきた僕に怪訝な顔をした若者の反応など無視して、僕はドラムを掴んだ。
「お借りします!」
ぐるんと若者に背を向け、ガルードさんと異形獣が戯れる姿を正面に見据えるようにドラムを据えて立つ。しっかりと足の裏を大地に着け、軽く膝を曲げる。腹の底まで冷え切った空気を吸い込み、腹の中で己の熱と混ぜる。
聖と魔。命とはそんな小さな基準で左右される存在ではない。
生と死、喜びも悲しみも、時間の流れ、選択ひとつひとつが、輝かしい奇跡。魂が宿る全てに、冒険の書が与えられる全てに、平等に降り注がれ、享受する権利がある!
オーガの種族神ガズバランよ! 目の前の命に未来を…!
決意と願いを込め、手を幕に叩きつけた!
どぉん! どっしりとした重厚な音が吹雪の音を跳ね除け、衝撃波となって広がっていく。さらに数回ドラムの具合を見る為に叩いた後、僕ははっきりと拍子を刻み始める。オーガ族はその耳に馴染んだ拍子に、驚きの表情を浮かべて互いの顔を見合わせる。
これは現代に『戦の舞』として伝わった、ドランドの鬼人達の舞。
ゾンガロンによって鬼人となったドランドの民は、オーガ族が獲得した知能や文化を削ぎ落とし原始の状態に戻りました。そんな彼らだからこそ、魂に刻まれたオーガ族誕生の神秘を表現することができたのです。ドランドの民が鬼人と成らねば、『戦の舞』は現代に広まる事はなかったでしょう。
彼らの悲劇は無駄ではなかった。
オーグリードに流れた血は無駄ではなかった。
全ての命が報われるように、全ての魂が救われるように、僕は残らず伝えて魅せよう!
ここで『戦の舞』を出すぜぇええええええ!!!!あっちっち!!!!!
今回の異形獣ちゃんは無邪気だけど、オーガ族の元になった連中はツンデレだと嬉しいな!!!!!燃える熱血教師ガズバランに、ドン引きする未来のオーガ族こと不良。話のサブタイトルは、『アストルティア学園・O組! 激アツ先生!』で決まりだな!!
