ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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ジェリナン。私の声に、長年ドミネウス家に仕えてくれた執事が背筋を伸ばす。
「申し訳ありません、メレアーデ様。ドミネウス陛下より自室謹慎を命じられていますが、主治医より数日は安静にと言われています」
そうね。私は目を伏せて頷いた。
歯が折れたり鼻の骨が折れなかった程度には手加減してくれたけれど、あの立派な体格から平手が振り落とされたんだもの。意識が戻って初めて白湯を口にした時、体が受け付けず戻してしまったわ。皆が私を心配してくれている以上、元気な姿を見せるまでは安静にするつもりだった。
しかしながら。そう続けて、ジェリナンが動く。
テーブルクロスが掛けられた台車の上には、私の為に用意してくれたティーセットがある。ひょろりとした痩身をきっちりと折り曲げて屈むと、純白のクロスに手を突っ込んで箱を取り出す。白い箱にはピンクのリボンが掛けられ、白い便箋が挟まれている。
「クオード様より、お見舞いの品が届いております」
私はふっと心が和らいで、口元が持ち上がったのを感じた。
ペーパーナイフで便箋を切り、何枚も重ねて折られて折り目が付かない手紙を広げると、綺麗な字が飛び込んできた。痛みはないか。顔は腫れていないか。お医者様の言う事をきいて、しっかり休んでほしい事。マローネ叔母様も、私達の従兄弟である赤ちゃんも、元気で王宮で過ごしている事。パドレ叔父様の従者であるファラスが片時も離れず護衛しているけれど、軍部からも兵を出して警護を徹底している事。早く元気なお姿を拝見したい事。
クオードの心遣いが手紙から溢れていた。
私を安心させようという心遣いが、冷淡なお父様に傷付けられた心に染み入ってくる。クオードの優しさに視界が潤んで、唇がへの字になってしまったわ。
手紙を繰ると、内容は不穏なものになっていく。
半年前にドミネウス邸に迷い込んでいたレナートも、投獄されたというのだ。ルアム達とレナートに下された罪状は旧ドミネウス邸の不法侵入と、国家反逆罪だという。
不法侵入については、形だけでも投獄するのは賛成だとクオードは綴った。この三人がドミネウス邸に侵入した時と現在パドレア邸に侵入した異形獣には、転送の門の使用歴がなかった。もしかしたら、王国が感知していない方法で、浮島の施設に侵入する方法があるかもしれない。それを問いただしたいと、頭の硬い事を言うの。
国家反逆に対しては、全くの冤罪だと書かれていた。
クオードは王都キィンベルで三人の動向を、異邦人という事で把握していた。問題行動がないどころか、王国の指針で魔法生物が禁止されて滞った流通を支えてくれた実績がある。辺境警備隊詰所でのレナートさんの素行も報告書として上げてもらったけれど、ローベル副隊長が隊員として正式に起用したいと申し出る程の優等生振りだったそうだ。
異形獣を討伐し国民を守った実績もあり、表彰されても良い位だという。
クオードは魔法生物が破棄されて変わった市民の暮らしを、王国軍が支えきれなかった事を認め、国民の為に尽くしてくれた三人に感謝していると書いている。でも、口では言わないでしょうね。
しかし、国王は三人に国家反逆罪として極刑を言い渡した。
極刑の執行は数日後と、エテーネ王国の法律で裁かれるにしては早すぎる断罪になる。その方法に私は目を見開いた。
「黄金刑…?」
数日後、国民をも王宮に上げて披露される公開処刑は『黄金刑』。
第十代国王ホルネウスの時代に制定された『黄金刑』は、黄金の煮えたぎる錬金釜に罪人を落とすというもの。錬金釜より生きて生還できれば無罪放免となるけれど、錬金術によって肉体は全て黄金に作り替えられる実質的な極刑になる。エテーネ王国の財政が不安定であった二十五代国王ルテスの時代には、極刑と思えぬ罪状でも執行されたという。息子クレグニスの代に『黄金刑』の執行は苛烈を極め、全ての罪人に執行されて得た黄金で豪遊をしたと伝えられる。クレグニスの叔父パントールが反乱を起こし、再起王として即位し『黄金刑』は廃止された。
そんな『黄金刑』を復活させる。
『黄金刑』は罪悪感が鈍くなる、恐ろしい処刑方法だと思っている。黄金の煮えたぎる錬金釜に身を投じれば、苦しむ間も無く体が黄金に変質する。その為、打首や縛首に比べ、痛みの少ない安楽な処刑方法と評価されている。さらに黄金に目が眩み、人の死はうやむやになる。クレグニス王の時代には罪人を告発すれば報奨金が出る為、冤罪で死ぬ者も多数出て国が荒れに荒れたそうよ。
正しき未来を選択し臣民を導く。そんな父の言葉に、強い疑問を感じた。
現在のルアム達の様子です。
5のカボチ並に報われなくて可哀想。これがカボチやレブレサック並にならないのも、ドミネウスの策略に嵌められた上に悪が成敗されるからだと思っています。
しかし、物語上では悪が成敗されるかはまだ分からないのですから、陰惨な感じをもう少し出します。
拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
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