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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 その言葉の暖かさに、息を呑んだ者達は安堵の息を吐き出しただろう。ざわめきが戻って来る。おそらく、歴代の器の中では最高の実力者だろう力の一片に触れた畏怖と、滅多にできない経験に興奮した感情がアーゼの生命を細波のように伝っていく。
『随分と派手な登場だったな』
 ランフェスバイナの刺すような言葉に、ササは眩しげに手を翳した。
「あぁ、ランフェスバイナさん。バルダニガ経由で予々存じておりますが、お久しぶり…ですかね? 敵意をざっと探ったんです。引っかかりませんでしたから、悪意は今のところ攻撃の意思はないのでしょうね。開幕狙撃がなさそうで安心しました」
『融合している状態では、世界に貴様が来たことを宣言するも同じだぞ。敵の思惑の裏をかこうと思わぬのか』
「え。早速ダメ出しされてるんですか? えぇ。うーん。ど、どうすれば良いのか教えてくれないと困りますよ」
 目を刺す叱責に、ササがおろおろと周囲を見回す。いや、どうすれば良かったなど、俺達が分かる訳がない。答えに窮して偶然隣に立つことになった隣人の顔を見合わせるしかない俺達に代わって、光る蜥蜴を両手で握り締めたファルナンが叫んだ。
「口の減らない蜥蜴の言葉は聞かなくて良いよ! 佐々木さん、来てくれてありがとう!」
 ファルナンの厚手のグローブすら光が貫通しそうだ。そんな手元をきつく抑え込み、ファルナンはササに頭を下げた。蜥蜴を押さえ込もうと悪戦苦闘するファルナンの後頭部から、視線をバルダニガに向けるとササは眠そうなくらい穏やかな声で言う。
「バルダニガ。ちょっと確認に行って来てくれますか?」
 闇は不満そうな声を上げる。
『俺、ササと一緒が良いから行きたくない』
 ササの目がすっと細められる。表情の抜け落ちた顔は、温度のない人形のように不気味で恐ろしい。
 怖い時の親父の顔だ。怒鳴りはしない。相手を罵ることもしない。ただ、見捨てられ、関心が失ったとわかる冷たい感情が顔を覆っているのだ。実際には一瞬のことで永続することはないのだが、相手を縮み上がらせるには十分だ。やはり、ササは親父の来世だ。こわいこわい。
「メンチカツ」
 何を言っているかはわからない。しかし、来世の言葉だろうそれは、バルダニガには伝わったらしい。
『ササのご飯が美味しいのが、いけないんだからね! うぅ、そんな怖い顔で見ないでよ。俺のために余分に作ってくれてるくせに、素直じゃないんだから』
 逃げるようにバルダニガが跳ねると、タシュリカの形になって空を舞い上がった。そして旋回してナシュームだろう方角へ飛んでいく。
 ふぅ。溜息と共に冷たさを吐き出したササに、俺は歩み寄った。
「ササ。これ」
 親しげな顔で迎えたササは、俺が差し出したものに首を傾げた。
 それはササがこの世界にやって来た時、親父が貸し与えた獣交官のフード付きの外套。しかし明らかに違うのは、外套の色が漆黒であることだ。獣交官には地位や実力を見分けるために、外套が3種類存在する。見習いの純白、得意な獣が刺繍された一人前、そして最上位である全てを飲み込む黒の3種類がある。様々な獣を金の刺繍で縁取った漆黒の外套は、バルダニガの器しか着ることが許されていないのだ。
 ササがこれが親父の外套だと察しないのは、親父が将軍として前線に立つ時は着なかったからだ。その代わり全身黒づくめではあったが。
「白じゃないんですか?」
「探したんだけど、丁度無くなっちゃってね」
 ごめんな、ササ! 俺、ササがバルダニガの器だって知らせて歩かせるようなもん着せるのは、どうかなーって思ってはいるんだよ。でも、規則だし、色々面倒だったし、ササが自分で説明してもらって良い加減楽したんだよね!
 騙してるみたいで悪いと思う。俺を信頼してくれてるのか、ササがあっさり受け取ったから、申し訳なさが半端ない。
「そうなんですか」
 躊躇いもなく羽織った姿を見て、背後で感動する声が上がる。終わった。とりあえず、儀式が終わったわ。頑張ったよ、俺。
 ちょっと泣きそうになった俺を、ササが見上げている。顔全体に広がった心配と労りが、俺の涙腺を容赦無くこじ開けようとする。懐かしい。気配が親父そのもので、とても心地がいい。もう二度と会えないと思ってたからこそ、親父の死と再会を自覚させて来る。
「トーレカさん、大丈夫ですか?」
「う、うん。大丈夫」
 やめてくれよ。泣きそうになるじゃん。
 黒い外套の内側から闇が獣の形で首を伸ばす。ササの胸に前足を乗せ、顔をぺろりと舐める。
『見て来た! ササも見た? なぁなぁ、俺、お願いきちんとやってきたよ! 偉い?』
「はいはい。偉い偉い」
 手で押し返したササの姿を見て、バルダニガは嬉しそうに声を上げた。今日一番の興奮した声が、頭を貫く。
『ササ! それ着たの? 嬉しいなあ! 俺、その外套の内側にいるの大好きなんだ!』
 言うが早いか外套の内側に入り込み、ササの体にまとわりついているようだ。ササの体がぐらぐらと揺れている。
 ササはバルダニガを放置して、ファルナンを見やった。
「高槻さん」
 顔を上げたファルナンに、ササが言った。
「ミアリアークさん、生きてますよ」
 
ついにササが来ました。地獄の3連夜勤超えお疲れ様でした!!!!
まぁ、この後、ご飯食って爆睡するんですけど。その休息時間を来世の世界でやると時間のロスが凄いので、風呂だけ入って前世の世界に来てます。

佐々木「私、夜勤明けたら直ぐに出かけます。作り置きは冷蔵庫にありますから、適当に温めて食べてください」
美亜「めぐ姉さん、何処に行くの?」
佐々木「んっ! ちょっと、りょ、旅行に…ね」
美亜「そうなの。気をつけてね」(どうしてこんなに嘘つくのが下手なのかしら。そこがめぐ姉さんの可愛いところだけど。ミアリアークから、ササとしてのめぐ姉さんの様子が伝わってくるの楽しみだわ)
佐々木(んんー。いつもなら旅行先くらいは聞いてくるんだがなぁ。近藤さんがこうも簡単に引き下がってくれるのはありがたいが、なんでなんだろう…まぁ、いいけど…)

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