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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 俺は妻を見た。それは世界で一番愛しい女性を見る夫としての顔ではなく、ランフェスバイナの騎士団長としてのファルナンとしての顔でだった。そんな俺の顔を見て、ミアリアークも表情を引き締め背筋を伸ばした。
「ミアリアーク。君は佐々木さんのことを知らないだろうが、あの人は本当に今回の件に何の関係もないんだ。ランフェスバイナを滅ぼした未知の脅威に立ち向かうために、恥を忍んで無力を認めて頼んだんだ。命の危険から最も遠い人でなくちゃいけない」
 本当なら協力を断られても仕方がないことなのだ。ここは佐々木恵の生きる世界ではない。彼女の前世であるイゼフが生きた世界だ。佐々木には何の関係もない世界で、その世界の危機に力を貸して欲しいと、世界の脅威と戦うという危険なことをして欲しいと、頼むのは筋違いも甚しかった。この世界の者でどうにかしないといけないのに、佐々木の人の良さに付け込んだのだ。
 分かっている。佐々木は自分の意思で来たのだと、笑うに違いない。それに救われている自分がいる。
 恥ずかしいことだと思っている。情けないことだと思っている。俺はどうして無力なんだろうと、呪いすらする。
 だからこそ、佐々木を守らないといけないと俺は思うんだ。何の関係もない彼女を無事に来世の世界に帰すことが、俺に課せられた使命だと思っている。
「例え君でも、佐々木さんを傷つけようとするなら、敵として見做さなくてはならない」
「承知の上よ」
 俺はたまらずミアリアークの両腕を掴んだ。顔を覗き込み、俺は声を荒げた。
「どうしてなんだ? どうして、そんなことを引き受けた…!」
 ミアリアークの表情は凍りついたように美しいままだった。沈黙がしばらく続いて、ミアリアークは呟いた。
「ファルナンは、私にどうして欲しいの?」
「どうして欲しい? 佐々木さんと戦うなんてことはしないで、ニアという脅威の情報を教えるんだ。俺達がニアを倒す!」
 そうだ、そうすれば全て丸く収まる。どうして、そうしないんだ? もうこの世界で整える全ての戦力が揃った。ランフェスバイナの力を賜った俺、バルダニガの器であるササ、場合によってはタシュリカを繰るトーレカの力も借りれる。そこに氷の魔女として力のあるミアリアークが加われば、ニアという脅威と戦えるだろうと思える自分がいる。
 確かに敵の力は未知数だ。ランフェスバイナを一瞬にして消滅させた力を軽んじるわけにはいかない。それでも、同志討ちのような真似をして戦力を削る必要が何処にあるというのだ。
 これは、ミアリアークのわがままだ。
 俺が今連ねたことが分からない彼女じゃない。だからこそ、分かった上で佐々木と戦うことに拘っている。
「ねぇ、ファルナンは私の好きな宝石がなんだか知ってる? 私が好きな花は? 私が苦手なことも、きちんと知ってる?」
 突然の問いに息が詰まった。え。と、声が漏れる。
 ミアリアークが好きな宝石。俺は彼女の誕生日に深海石を贈った。深い海のような濃い青が美しい宝石だ。彼女に似合うと思ったし、実際によく似合っていた。花は華やかでいい香りのする白い花を贈った。女性なら誰もが喜ぶ美しい花を受け取ったミアリアークも、嬉しそうに受け取ってくれたのを覚えている。
 苦手なこと? そんなことがミアリアークにあるのだろうか?
 がたん。と背後の窓が開いた。子供達が揃って顔を出して、声を上げる。
「アシュリアーナ しってる! かあさまは しんりょくせき がすきなの!」
「ミルファークはね えっと かあさまは しろくて おはなの かんむりが できる はなが すきなの おみせには うってないの」
 え? えぇ? 俺は目を白黒させて、とりあえず子供達を家の中へ戻した。いい加減、寝なさいと言い含めて。
「知らないよね。貴方は私が喜びそうなことを想像して、私に贈ってくれた。私を想ってくれた気持ちは嬉しいわ。でも、もう私達は恋人じゃないのよ。夫婦なの。私は貴方の望んだ美しい人形じゃないのよ。ミアリアークという一人の人間なの」
 背中に投げかけられた言葉は、悲しみが含まれていた。
「ねぇ、ファルナンは私のことを、どれだけ理解してくれているの?」
 どれだけ理解している。仕事の仲間として、彼女の力の出すタイミング、剣術の腕は知り尽くしていた。連携も上手くて阿吽の呼吸で相手に攻め入る自信がある。ミアリアークが騎士団で浮いていたのも知っていて、彼女を守ろうと色々考えた時期もあった。実家のご両親にも挨拶に行った。俺との交際を涙ながらに祝福してくれたのを覚えている。二人で過ごした甘い喜び。
 なぜだろう、思い返す様々にミアリアークの表情が見えてこない。
 俺は背筋が寒くなるのを感じていた。
 来世である近藤美亜のことが浮かんだ。透が俺をストーカーと呆れた顔で言う。佐々木がどうして二人は仲良くなれないのかと、頬杖ついて考えている横顔。俺は、近藤美亜のことを、何も知らない。それはミアリアークもそうだったのか?
「お、俺は君の全てを…」
「知らないじゃない!」
 ミアリアークがついに声を荒げた。初めて聞いたミアリアークの悲痛な声は、俺の心を打ちのめした。世界で一番幸せにすると誓った女性が、俺から顔を背ける。
 俺は、どうすれば。

ふーふげんかだ!!!!!めちゃくちゃ貴重だぞ!!!
うちのサイトで夫婦やってる代表格といえばアレフローラ夫妻だが、あれは喧嘩ップルから夫婦になってるので喧嘩も一種のコミュニケーションみたいなものです。実質、ローラが上手だしアレフも譲れないことがない限りは尻に敷かれてやるし、譲れないことはローラの策略で譲らなくちゃいけなくなるので態度の割には勝てない旦那で一番平和です。
OPUSのヨハンフェイも同居しているし喧嘩もするが、あれは諸事情ゆえにヨハンが子供すぎるからフェイが大人の対応してます。この二人はもう少し先でキレてガチ喧嘩するのですが、色々分かってるから喧嘩しちゃうんだな。
しかし、ファルナンミアリアーク夫妻は違う。お互い理解が足りてなくて離婚しちゃいそう!新しい。けど、高槻と美亜の関係からこうなることは、予測できてたかも。頑張れよファルナン!
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