忍者ブログ
ハコの厚みはここ次第!
■ Calendar ■
09 2019/10 11
S M T W T F S
5
9 10 11 12
14 16 17
20 21 24 25 26
27 28 29 30 31
□ Profile □
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
■ Booklog ■
□ search □
88 87 86 85 84 83 82 81 80 79 78

 あの昏倒から戻った直後にランドインパクトを放つだなんて、なんという無茶を…! 余がガノに駆け寄っている間に、べたりと尻餅をついてしまいおった。辛そうにハンマーに凭れ掛かったと思ったら、次の瞬間大声で笑いだしおった。
『ピピピ! ガノ アタマ ウッタ! アタマ オカシイ!』
 それは大変だ! 顔を覗き込んだ余の肩を、ガノは掴んで抱き寄せた。
「いやぁ、ビャン君! 大したものじゃ。本当に大したものじゃよ、お主は! ビャン君の成長が、こうも嬉しいとは! 笑いが止まらぬわ!」
 耳元で爆ぜ続ける笑い声に、とりあえずガノの無事を認識してホッとする。暖かい息を一つ吐けば、胸が熱くなるのを否応に感じる。
 ガノは余が目覚めて初めて出会った存在じゃった。今思い返せば世間知らずで、赤面する記憶しかない。戦えぬばかりか、歩く体力すらない。日々、疲労困憊しておった余が不満を零しても、暖かい親のような眼差しを向けていたのを覚えている。そんなガノが、賴き者を見る目で余を把えておるのが誇らしかった。彼の眼差しが、己の成長を認識させてくれる。
 嬉しかった。こうも嬉しく感じる事が出来る今が、非常に尊く感じる。
「すみませんでしたぁ。トーマ王子の墓に手を出したのは、ほんの出来心なんですぅ」
 瓦礫の隙間から、賊の長の情けない声が聞こえてくる。
「王子が死んで王家の墓に棺が移された時、確かに棺にゃあお宝がザクザクだろうって勇んで向かいましたよ。でもね、そんときゃあ、盗めるだなんて思いもしなかったんです。だって、歴代勇者すら眠る墓所ですぜ? 盗人が入れるわきゃぁないって思ったんですよ」
 完全に涙声である。先ほどの威勢はどこに行ったのやら。呆れる余の前で、弁明はまだ続く。
「でも、扉が開いていたんですよ。開いた扉からよく見えないけど、誰かが出てきてどこか行っちまいましてね」
「扉が開いてたら、入っちゃうじゃーん」
 その気持ちは分かる。そう呟いたガノの脇腹を突く。ガノは一つ咳払いして、瓦礫の下に問いかけた。
「で、トーマ王子の副葬品だけじゃなく、ご遺体にまで手を出しおったという訳か?」
「は? 遺体に手を出す訳ないでしょ! 墓荒らしても、人権荒らすなってモットーが砂漠の土竜にはあるんだからね!」
 女の甲高い否定に、ガノが『本当かね?』と念を押す。
「本当ですよ。王子の棺は最初から蓋が開いていましたし、遺体はどこにもありませんでした」
「でも棺の中はお宝はざっくざっくだったからー、かっぱらって売っちゃったんだー」
 ワンゲ、余計なことを言うんじゃねぇ! 鋭い叱責と共にぼかりと叩く音がする。
「盗掘団は解散して悔い改めますんで、どうか! どうか、見逃してくだせぇまし! おねがいします!」
 瓦礫の中から盛大な泣き声が響く。流石にこちらからは影になっておって、涙を流しておるかまでは確認できぬ。しかし、演技だとしたら相当の役者であろう真に迫った訴えだ。ガノはどうするのであろう…?
「砂漠の土竜よ。アラハギーロの独房の飯も、なかなかに美味いぞ。我輩のオススメはビッグサボテンのフライじゃ」
 ふらりと立ち上がり、来た道を歩き出す。そこで余は気がついた。複数の人間がこちらに慌ただしく向かっている足音が聞こえてきた。ピラミッドの警備を行う、アラハギーロ王国の兵であろう。あれだけ大きな音や振動を起こした為に気がついて、確認に向かっておるのだろう。
「え? 置いてっちゃうの? そりゃねーですよ! ほんと! たすけてくださいよー!!」
 助けを求める声はいつまでもいつまでも、余の背に訴え続けていた。


割とガノさんも50歩100歩な所あるけれど、彼の場合は相棒の方が盗人気質が強かったのです。若い頃のガノさんは技術は凄いけど世間知らずなところもあったので「これを売らなければガタラ豚まん一個も食べれず野垂れ死ぬぞ」とか言い包められて、遺物横流しを見過ごすしかなかったところあります。
もともと、盗掘関連の連中にも大らかな方です。
いつもなら見逃してあげちゃうんですが、トーマ王子の遺体を持って行ったのが彼らではないという証言をさせる為にアラハギーロに引き渡します。さらにその証言の重要性から、丁重に扱われるだろうということも予測済み。ただし副葬品を流したので、そこらへんのいざこざを彼らにきっちり被ってもらいます。

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
PR


Comment
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
pass

Copyright © ハコの裏側 All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog
忍者ブログ・[PR]